辰巳工業 宝人さがし その1

宝人(たからびと)さがしとは

代表取締役会長 辰巳施智子がお送りする辰巳メンバーのとっておきのお話です。感動的な話からほっこりする話まで様々なものをご用意しています。
不定期更新となっていますので、たまーに覗いてみてはいかがですか?

 この写真はジュンイチさん

 ジュンイチさんは人の上に立つこと・役職は真平御免というタイプ。入社して23年。工場現場の事ならありとあらゆることが出来ます。家庭は大好きな妻と中学生を筆頭に、3人の子供のパパ。休みの日は少年野球のコーチで体を休める暇がありません。お腹を含めて体格は非常に良いです。プロフィールはこの辺にして、エピソードを語りましょう。

 13年前の春、新卒のヒデボンさんが入社してきました。ヒデボンさんは利発で器用で、社会人一年生として一生懸命に仕事に取り組んでいました。入社早々の研修時代にポンプの羽根車という部品の型取りをしていました。辰巳工業での鋳物の型取りは一定時間が経過したら固まるように化学薬品を混ぜた砂で形を作ってゆくものであり、難易度が高い羽根車の型を作ることは、とても新人にできることではありません。そんな中次から次へとヒデボンさんは型を作ってゆきます。それを見た私は、ただただ驚くばかりでした。就業時間が終わりヒデボンさんは帰ってゆきます。残業時間に現場に行くとジュンイチさんが作業しており、なんとヒデボンさんが昼間作った型を全部補正していました。聞いてみると「こんな難しい仕事を新人が完璧に出来るわけはないので、自分が直しているけれど、ヒデボン君はすごくいいですよ。」とのこと。一か月くらい作る、補正するの繰り返しでした。ヒデボンさんがこの補正の事実を知ったのが、数年後でした。

 今日もこの背中を見て社員たちはどんどん育ってゆきます。

 言葉なくても、後輩は育ってゆく。ありがとうジュンイチさん。

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