辰巳工業 宝人さがし その7

宝人(たからびと)さがしとは

代表取締役会長 辰巳施智子がお送りする辰巳メンバーのとっておきのお話です。感動的な話からほっこりする話まで様々なものをご用意しています。
不定期更新となっていますので、たまーに覗いてみてはいかがですか?

左にいらっしゃるのが坂本ご夫妻

 第7回、8回では先日会社へいらっしゃった2組のお客様をそれぞれの回でご紹介します。先ず最初にご紹介するのは坂本誠太郎さんです。

 1999年11月頃公共機関紙にて、㈱クボタの工場長の定年退職を伝える記事が載りました。その工場長こそ坂本誠太郎さんだったのです。それを見た私はビビッとくるものを感じました。当時債務超過だった辰巳工業にはなんと勿体ない方なのか、と思いつつもお力を貸していただきたく面会を申し出ました。

 実際お会いしてみた坂本氏は、お洒落で清潔感のある中厳しい言葉が矢のように飛ぶ方で私を通して辰巳工業ってどんな会社かなと、観察されている様子でした。「あーこの方は違う。辰巳工業へいらしてなんて下さらない」と内心思っていたところ、「一度会社を見に行きましょう」とのお言葉。とても驚きました。さっそく会社に案内しご視察頂いた結果坂本氏から「この会社は、宝の山だ」の一言。私の頭には「????」とハテナマークが飛ぶばかりでした。

 坂本氏を辰巳工業の顧問として迎えることとなり、ミレニアムの年節分の日が初出勤。先ず、作業服に着替えヘルメットをかぶり「さあ、現場に行こう」と。私もヘルメットとやらを初めてかぶり工場内の地下穴倉のような、機械の並んだところへと入っていきました。機械をトンカチでたたき、「ここは砂の流れが悪い。テーパーがなっとらん。音が分かるか?」一方私もトンカチトントン。違いが解ろうが解るまいが、「ハイ」「ハイ」の生返事。

 こんなスタートから12年間。ISO9000の書類を社内製作するまでに育ててくださいました。おかげ様で会社は現在進行形で右肩上がりです。

 そういえばと、「この会社が宝の山って何でですか?」と尋ねたところ、「ムリ、ムダ、ムラが工場中に転がっていた」との事でした。

 引退後は趣味の帆船づくり、絵画と過ごされているようです。最近辰巳工業にラボ(ミニミニの頭の遊び場)ができたので、ご夫妻でいらしていただきました。

2019年10月1日より稼働のラボラトリ

 「坂本氏のおかげで会社が成長している。少しは恩返しができたかな。」と感じたひと時でした。

 ありがとうございました。

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