辰巳工業 宝人さがし その8

宝人(たからびと)さがしとは

代表取締役会長 辰巳施智子がお送りする辰巳メンバーのとっておきのお話です。感動的な話からほっこりする話まで様々なものをご用意しています。
不定期更新となっていますので、たまーに覗いてみてはいかがですか?

右にいらっしゃるのが池田ご夫妻

 第8回は池田健一さん。勤務期間は36年。一昨年退職されました。

 器用で何でも作ってしまう池田さん。「砂型乾燥用トンネルの設計製作」により平成20年度の大阪府技術改善功労者表彰を受けました。ちなみに砂型とは溶かした金属を流し込むための型のことです。

 ある時、辰巳工業で古くなった炉を廃炉にすることになり、解体しました。なんと池田さんはその廃材の中からまだ使えるような物を集めて保管しており、その中には耐火レンガが多数ありました。その耐火レンガを再利用し、会社がかねてより購入したいと思っていた砂型の乾燥用トンネルを自作してしまったのです。そしてそれは池田さんが長年心の中で温め思い描いていた、陶芸で使用するような登り窯方式のものでした。この装置により、砂型に熱が満遍なく行きわたり、乾燥させることで不良品の減少に貢献しました。仕事の合間にコツコツと部品製作をし、確か暮れの寒い時期に休日出勤し作成してくれていたように思います。この乾燥用トンネルは10年以上経った現在でも設計変更することなく、品質向上に役立つ無くてはならない装置として辰巳工業で使われています。

 また、ある暑い夏の日、お盆休みの時でした。休日に会社に来てみると裏の木型置き場で物音が……。恐る恐る見に行くと、池田さん夫妻が。目を疑うお弁当風景がそこにはありました。なんと、散らかっている木型置き場で、ピクニックをしていたのです。お話を聞いてみると、タイムカードも押さずに木型を置くための棚作りをしてくれていました。「仕事日だとこういう作業ができないので」と池田さん。奥さまも「私も、一緒に来ました。」とのことでした。

 旅が好きなご夫妻は今までに世界中のあらゆるところへ二人で訪れたと聞きました。これからも二人いつまでも仲良く、オシドリのように…旅を楽しんでください。

 辰巳工業の工場内は池田製のものでいっぱい。退職された今でもいつも一緒に働いているようです。

 池田さんありがとう!

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